令和2年度産業保安等技術基準策定研究開発等(製品安全対策優良企業表彰等)【調査報告書】
報告書概要
この報告は、令和2年度に実施された製品安全対策優良企業表彰事業について書かれた報告書である。経済産業省が実施する本事業は、製品安全に積極的に取り組む事業者を表彰することで、製品安全が持続的に確保される安全・安心な社会の構築と安全文化の定着を図ることを目的としている。本制度は発足から10年以上が経過する中で、高齢者事故の増加やAI・IoT搭載製品の登場など、新たな製品安全問題に対応した事業者の自主的取組がますます重要となっている状況を受けて実施されている。
令和2年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、応募受付開始を1か月遅らせ、応募期間を2週間延長するとともに、審査委員会や表彰式をオンライン形式で実施するなど運営方法を大幅に変更した。審査においては、サプライチェーン全体の管理や高齢者における製品事故未然防止への取組を特に加点評価対象とし、ステークホルダーへの情報発信を審査基準に追加するとともに、特別賞にネットモール運営事業者を対象とした賞を新設した。
表彰事業では学識経験者や消費者団体等で構成される審査委員会を5回開催し、厳正な審査を実施した。広報活動として、TwitterとInstagramアカウントを新設し年間31回の情報発信を行い、応募説明動画をYouTubeで公開するなど認知度向上に努めた。また受賞企業紹介パンフレット4,100部を作成配布し、製品安全総点検月間に合わせた啓発ポスターを関係各所に配布した。製品安全対策ゴールド企業に対するフォローアップでは、認定後5年経過の3社について継続的な取組を確認した。さらに制度のあり方検討会を3回開催し、自己宣言制度や審査過程の見える化について作業部会で検討を進めるとともに、新しい略称についてアンケート調査を実施した。これらの取組を通じて製品安全文化の醸成と事業者の自主的な安全対策の促進を図っている。
