令和2年度「中小企業・小規模事業者支援サイトのAI活用による経営課題解決促進の実証研究事業」調査報告書
報告書概要
この報告は、中小企業・小規模事業者支援サイトのAI活用による経営課題解決促進の実証研究事業について書かれた報告書である。株式会社エヌ・ティ・ティ・データが令和2年度に実施した本事業は、日本経済の99.7%を占める中小企業が直面する技術者の高齢化、後継者不在、資金不足などの経営課題に加え、新型コロナウイルス感染症による市場縮小という深刻な状況を背景としている。事業目的として、ミラサポplusの機能を大幅に拡張するプロトタイプ「ミラサポconnect」を構築し、経営者同士や専門家、支援者、関連企業間での自由なコミュニケーション場の提供とAIを活用した高度な検索機能の実現を掲げている。また、API連携機能を活用した民間ビジネスの開発支援により、国、支援ビジネス、中小企業の三者相互の活性化を最大限図ることを目指している。取り組み内容は事前調査から報告書作成まで5つのフェーズで構成され、約8.5か月の限られた期間において実施された。特に重要な成果として、中小企業庁所管103制度のうち電子化済53制度から24制度を選定し、データモデリングとルールブックを作成したことが挙げられる。さらに、外部システムからの情報取得に向けたAPIゲートウェイ機能の実装、ポータル上での検索・照会機能、アクセスコントロール機能などを構築し、EBPMに必要なデータの集約・蓄積促進を実現している。次年度に向けては、ユースケースの深堀検討、API連携の拡張、UI/UXを重視した体制構築、アジャイル開発によるトライ&エラー検証の継続が改善点として提案されている。
