令和4年度産業経済研究委託事業(持続的成長のためのスタートアップの開示の在り方に関する調査)上場・未上場スタートアップのIR・開示に関するガイダンス

掲載日: 2023年3月9日
委託元: 経済産業省
担当課室: 経済産業政策局産業創造課
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令和4年度産業経済研究委託事業(持続的成長のためのスタートアップの開示の在り方に関する調査)上場・未上場スタートアップのIR・開示に関するガイダンスのサムネイル

報告書概要

この報告は、上場・未上場スタートアップ企業におけるIR(インベスター・リレーションズ)活動と開示業務の重要性について書かれた報告書である。スタートアップ企業の成長サイクルにおいて、IRは投資家との関係構築と資金調達の要となる重要な機能を担っており、適切な株価形成と流動性確保を通じて円滑な資金調達を実現する役割を果たしている。調達した資金をM&Aや新規事業、マーケティング、人材採用に活用し、その成長実績を投資家に評価されることで次の資金調達につながる好循環を生み出すことができる。また、従業員の株式インセンティブを機能させることで成長の加速化を図ることも可能である。多くの類似企業をカバーする投資家との対話を通じて、自社の経営に対する有益な示唆を得られることも大きなメリットである。IRは短期間では成果が現れにくく、トラックレコードの蓄積と継続的な対話により投資家との信頼関係を時間をかけて構築する必要があるため、早期からの取り組みが重要となっている。ラクスルやメルカリなどの成功企業も上場前の早い段階からIRを重視し、積極的な投資家対話を実践していたことが知られており、これらの事例は多くのスタートアップ企業にとって参考となる実践例である。本ガイダンスは、経済産業省と野村総合研究所が事務局となり、多数の投資家、ベンチャーキャピタル、スタートアップ企業の経営陣が策定に協力し、IRのナレッジ普及を目的として作成されたものである。