令和4年度産業技術調査事業(委託研究開発における知的財産マネジメントに関する運用ガイドラインの調査)報告書
報告書概要
この報告は、国の委託研究開発プロジェクトにおける知的財産マネジメントの運用ガイドライン改善について書かれた報告書である。
経済産業省が定める委託研究開発の知的財産マネジメント運用ガイドラインにおいて、プロジェクト参加者が作成する知財合意書とデータ合意書の作成例及び解説の改善を目的として実施された調査である。近年、研究開発型スタートアップの参画拡大、大学発スタートアップの創出促進、長期間にわたる野心的プロジェクトの増加、AI・IoTやマテリアルズ・インフォマティクスなど新技術の台頭により、委託研究開発プロジェクトにおける知的財産及び研究開発データの取扱いが多様化している状況を踏まえ、最適な知財マネジメント実施のための契約条件等を調査し、知財及びデータ合意書の改善を検討した。
調査手法として、国内外の13文献を対象とした公開文献調査、技術研究組合、事業会社、スタートアップ、不実施機関等15者へのヒアリング調査、専門家6名による調査委員会での検討を実施した。調査対象文献には、JST共同知財協定、特許庁モデル契約書、米国ARPA-Eのテンプレート、EU HorizonのModel Grant Agreement、AMEDひな形等が含まれる。
調査結果に基づき、知財及びデータ合意書の作成例について具体的な改善案を提示している。特に国外企業等が参加する場合の作成例では、国内企業等の事業化を確保するための実施許諾規定の修正案を示し、オープン・ソース・ソフトウェアの取扱いに関する新たな条項も提案している。プロジェクト終了後の成果活用を見据えた有効期間の設定や、知財運営委員会の機能に関する規定も詳細に検討されている。