令和4年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査等事業(分散型エネルギーリソースの更なる活用・普及推進に関する調査)報告書

掲載日: 2023年4月28日
委託元: 経済産業省
担当課室: 資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部新エネルギーシステム課
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令和4年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査等事業(分散型エネルギーリソースの更なる活用・普及推進に関する調査)報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、分散型エネルギーリソースを活用したアグリゲーション事業の発展に向けた制度面の課題と海外動向について書かれた報告書である。

VPP技術の高度化や再生可能エネルギーの普及、災害時レジリエンスの重要性の高まりを受け、分散型エネルギーリソースが持つ潜在力を活用したアグリゲーション事業、配電事業、地域マイクログリッド事業等の更なる発展が期待されている。政府は平成28年度から令和2年度にかけて需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント構築実証事業を実施し、令和3年度からは蓄電池等の分散型エネルギーリソースを活用した次世代技術構築実証事業を開始した。また、令和2年6月の電気事業法改正により、アグリゲーターや配電事業者が電気事業法上に位置付けられることとなった。

本調査では、ERAB(エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネス)の更なる普及拡大に向けて、各市場・事業環境・制度等における課題等を整理し、関連する審議会等への意見具申に繋げることを目的としている。実施内容は、分散型エネルギーリソースの更なる活用に向けた制度面等における課題の検討、分散型エネルギーリソースが活用されている海外市場動向調査、および次世代の分散型電力システムに関する検討会の開催運営である。

海外調査では、諸外国における低圧リソースの活用事例が紹介されている。フランスでは送電系統運用者RTEがVoltalis社を家庭用需要家のエネルギーリソースを活用して一次調整力を提供する国内初のアグリゲーターとして認定し、同社は1万か所以上の家庭用電気暖房を制御している。オランダではNext KraftwerkeとJedlixがEV充電の制御による二次調整力供出の実証を実施し、2020年末に実証を終えて本格運用に移行した。一方、日本では低圧リソースの需給調整市場での参加は認められていない状況である。検討会では需給調整市場における分散型リソースの更なる活用や配電分野における分散型エネルギーリソースの活用について議論が行われた。