令和4年度新エネルギー等の保安規制高度化事業冷凍設備への低GWP冷媒の安全使用に係る調査・検討報告書
報告書概要
この報告は、冷凍設備への低GWP冷媒の安全使用に係る調査・検討について書かれた報告書である。経済産業省の委託により高圧ガス保安協会が実施した調査で、冷凍設備のレトロフィット(既存設備の冷媒ガスを地球温暖化係数の低い冷媒に変更する改修工事)に関するリスクや技術基準について検討している。令和3年度調査で課題となった耐圧試験や強度確認に代わる方法として、製作時の耐圧証明書による耐圧性能確認や目視確認を提案したが、設計圧力が上がる場合の安全確保方法について関係者の合意が得られなかった。レトロフィット時のリスク抽出のため、実施事業者へのアンケート調査と過去の事故事例分析を行った結果、現場作業者は冷媒回収機や充填ホース等を使用し、30~40代の経験豊富な技術者が作業を担当していることが判明した。事故リスクとしては、充填配管・ホースの劣化、誤操作、作業方法のミス等が想定され、特に継手部からの漏えいリスクが高いことが確認された。過去の事故事例では、配管の腐食によるピンホール発生や保温材内部の結露による外部腐食が主要因となっており、これらはレトロフィット作業においても重要な注意点である。委員会では、ガイドライン策定による事業者への周知と高圧法上の位置付けについて検討し、実証実験も実施して技術的妥当性を検証した。