令和4年度質の高いエネルギーインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業委託費(インドネシア国スララヤ石炭火力発電所向けアンモニア混焼実施可能性調査並びにバリューチェーン全体評価事業)報告書

掲載日: 2023年5月12日
委託元: 経済産業省
担当課室: 資源エネルギー庁資源・燃料部政策課
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令和4年度質の高いエネルギーインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業委託費(インドネシア国スララヤ石炭火力発電所向けアンモニア混焼実施可能性調査並びにバリューチェーン全体評価事業)報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、インドネシア国スララヤ石炭火力発電所でのアンモニア混焼実施可能性について書かれた報告書である。三菱商事、三菱重工業、日本工営が実施した令和4年度の調査では、質の高いエネルギーインフラの海外展開に向けた事業実施可能性とバリューチェーン全体の評価が行われた。

調査は脱炭素化への取組みが進むインドネシアの電力セクターを対象とし、既設石炭火力発電所におけるアンモニア混焼技術の導入可能性を検討している。インドネシアは2050年のネットゼロエミッション達成を目指しており、既存電力インフラの脱炭素化が急務となっている状況である。

スララヤ発電所は7号機まで設置された大規模石炭火力発電所であり、アンモニア混焼による脱炭素化の実証対象として適切な条件を有している。調査では石炭ボイラへのアンモニア混焼技術、燃料アンモニア供給設備、輸送システム、製造技術などの技術的検討が実施された。また脱硝技術についても詳細な検討が行われ、NOx削減のための対策が評価されている。

アンモニア供給については受入設備、貯蔵設備、除害設備などの新設が必要であり、安全・環境対策および防火対策の検討も含まれている。港湾設備の活用によるアンモニア受入システムの構築可能性も評価されている。バリューチェーン全体では、アンモニア製造から輸送、発電所での利用までの経済性と環境影響が分析され、二酸化炭素回収技術による低炭素化率向上の検討も実施されている。事業実施に向けては法規制への対応、環境社会配慮、資金調達枠組みなどの課題が整理され、今後の実現可能性が総合的に評価されている。