令和4年度超大型X線CT装置を活用した産業のデジタル化技術の開発等に係る調査事業調査報告書
報告書概要
この報告は、超大型X線CT装置を活用した産業のデジタル化技術の開発に関する調査事業について書かれた報告書である。日本のものづくりが熟練技術者の高齢化により危機に直面する中、令和5年4月設立予定の福島国際研究教育機構において、サイバー・フィジカル・エンジニアリング技術による製品ライフサイクル全体でのものづくりDXを進めるための先行調査が実施された。CPE技術は産業用X線CT装置等を用いて完成製品等現物の3Dデジタル計測から現物モデルを構築し、物理シミュレーション等を行う技術であり、現場力で解決してきた課題を顕在化させ、設計から製造までの生産性と付加価値を飛躍的に向上させることが期待される。本調査事業では7つの項目について調査が行われ、世界初の高エネルギー・ガントリー式超大型X線CT装置の開発、画像処理基盤技術の高度化、現物データ活用によるものづくりの精緻化・効率化について検討された。X線CT技術とデジタル化拠点の中長期事業化に関する予備調査では、国内外の有識者へのヒアリングや文献調査を基に施設の基本要件とレイアウト案を検討し、超大型X線CT装置の設計調査では技術的課題を抽出して研究開発計画を作成した。画像処理基盤技術の研究動向調査では文献調査とセミナーを実施し、データプラットフォーム調査ではGAIA-X等の欧米先行技術に対する日本型データ連携の仕組みを検討した。さらに、金属AM部品の欠陥検出と形状計測、福島県内企業の課題解決、XCC技術の海外調査を通じて、現物データを活用したデジタル化技術の有効性が確認された。
