令和4年度新産業創出等研究開発事業(放射性物質の分析のための人材育成カリキュラムの作成等に係る調査等事業)報告書

掲載日: 2023年5月16日
委託元: 経済産業省
担当課室: 資源エネルギー庁電力・ガス事業部原子力発電所事故収束対応室
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令和4年度新産業創出等研究開発事業(放射性物質の分析のための人材育成カリキュラムの作成等に係る調査等事業)報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、福島第一原子力発電所の廃炉作業に必要な放射性物質の分析人材育成カリキュラムの開発について書かれた報告書である。福島第一原子力発電所には通常炉には存在しない多様な性状の大量の廃棄物や未知の性状である燃料デブリが存在し、これらの保管・管理や処理・処分の検討には放射性核種とその量の正確な把握が必要である。今後の国内通常炉の廃止措置や再処理工場の稼働により分析人材のニーズは増加するが、多くの分析企業では体系的な育成カリキュラムが整備されておらず、現場でのOJTが主となっている状況である。本事業では短期間で画一的に高いレベルを持った放射性物質の分析人材を大量に育成することを目的とし、実践的な研修プログラムを整備した。研修対象となる分析手法として、福島第一原子力発電所の主要なリスク源と廃棄物を調査し、燃料デブリ、使用済燃料、汚染水等、水処理二次廃棄物、ガレキ等を特定した。効率的・効果的な研修方法の検討では、分析作業者の育成を最優先とし、知識、技能、姿勢の観点で研修カリキュラムを整備した。必要な施設・設備の調査では、コールド環境として福島工業高等専門学校、ホット環境として東北大学サイクロトロン・ラジオアイソトープセンターを特定した。外部有識者や企業へのヒアリングにより、前処理に関する研修のニーズや管理者向けカリキュラムの必要性、ホット実習のニーズなどが明らかとなった。