令和4年度成長型中小企業等研究開発支援事業(地域中小企業のR&Dイノベーション創出事業)調査報告書

掲載日: 2023年5月26日
委託元: 経済産業省
担当課室: 九州経済産業局地域経済部産業技術革新課
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令和4年度成長型中小企業等研究開発支援事業(地域中小企業のR&Dイノベーション創出事業)調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、令和4年度に実施された地域中小企業のR&Dイノベーション創出事業について書かれた報告書である。

本事業は、九州経済産業局管内の成長意欲の高い中堅・中小企業及びスタートアップ企業に対して、オープンイノベーションによる新市場創出を促進することを目的として実施された。背景として、従来のサポイン事業採択企業が限られたネットワークの中で市場ニーズの把握や事業展開に課題を抱えていること、さらに新型コロナウイルス感染症、DX、カーボンニュートラル等の不確実性の高まりにより、既存サプライチェーンの構造的変化が予想されることから、外部の知識と技術を組み合わせた新市場事業創造の必要性が高まっていることが挙げられている。

事業の全体像は、中堅・中小ものづくり企業の事業化支援と研究開発型スタートアップの事業化支援の2つの柱で構成されている。実施プロセスは、事業化支援対象企業の選定、外部企業等の選定・事業連携仮説の検討、事業プラン設計・共創案件の組成という3段階で進められた。企業選定においては、Will・Must・Canの観点からオープンイノベーション・レディネスをスコアリング評価し、連携による事業化への構えができているかを定量的に判断した。

実施結果として、中堅・中小ものづくり企業においては80社をリストアップし、25社にヒアリングを実施して15社を選定、17件のマッチングを行い5件の連携プロジェクトを組成した。スタートアップ支援では33社をリストアップし、15社にヒアリングを実施して10社を選定、14件のマッチングを行い6件の連携プロジェクトを組成した。具体的な成果事例として、コットン繊維由来セロビオースを活用したサプリメント商品開発や、有機半導体レーザーダイオードの実用化、廃棄卵殻を活用した石油由来素材の代替検討などの共創案件が創出された。最終的に、2023年2月にOIイベントを開催し、多様なプレーヤーに対してオープンイノベーションの周知・普及を図った。