令和4年度産業保安等技術基準策定研究開発等(リコールリスクレベルの明確化等に関する調査研究事業)調査報告書
報告書概要
この報告は、リコールリスクレベルの明確化等に関する調査研究事業について書かれた報告書である。経済産業省が実施した令和4年度の産業保安等技術基準策定研究開発事業として、消費生活用製品のリコール対応における課題解決を目的とした包括的な調査研究が行われた。主要な事業内容として、リコールハンドブック2022への改訂、リコールリスクレベル基準の検討、リコール保険の活用方法及び保険内容の検討、海外のリコール対応にかかる調査の四つの柱で構成されている。消費生活用製品のリコールは年間約100件程度発生し、平成19年度以降の累計は約1800件に上っており、長期化するリコール案件が企業の経営負担となっていることが課題として挙げられている。事業者側においては客観的な基準に基づいたより細やかな広報対応を、行政側においては同基準に基づいたリコール指導を可能とするため、各リコール案件のリスクレベル基準の明確化が目指された。リコールハンドブック改訂委員会、リコールリスクレベル基準検討ワーキンググループ、リコール保険検討ワーキンググループが設置され、それぞれ専門的な検討が実施された。海外調査では米国、英国、オーストラリア、タイにおけるリコール制度や事業者の取組状況、リコール保険の普及状況等が調査され、特にオーストラリアの自主的リコール運用やタイの製品QRコード掲載義務付けなどの独自取組が注目された。この調査研究により、リコール対応の効率化と消費者安全の確保の両立を図る基盤が構築されることとなった。
