令和4年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(貿易分野デジタル化連携ツールの検討等)報告書概要版〈日本語〉

掲載日: 2023年5月26日
委託元: 経済産業省
担当課室: 貿易経済協力局貿易振興課
元の掲載ページ: 掲載元を見る
令和4年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(貿易分野デジタル化連携ツールの検討等)報告書概要版〈日本語〉のサムネイル

報告書概要

この報告は、日本の貿易分野におけるデジタル化推進および国際標準準拠によるデータ連携性向上について書かれた報告書である。現在の貿易業界では文書のデジタル化率が1%未満という状況において、従来の紙媒体による業務からの脱却が急務となっている。特に、各国の貿易関連プラットフォームとのデータ連携において、独自仕様による実装負荷の増大が深刻な課題として浮上している。

本調査では、信用状および関連4文書を対象として国際標準規格の実用性を検証し、実業務データとの整合性を確認した。検証の結果、国際標準において実業務上必要なデータ項目の不足、SWIFTと国連CEFACTのデータ粒度の相違、標準規格定義の理解困難性、商流系と物流系文書での階層構造の差異といった問題点が明らかとなった。これらの課題に対応するため、国際標準化機関への変更申請、並行メッセージ運用、レジストリ構築等の対応方針が示された。

海外事例調査では、シンガポールや欧州における先進的な取組が分析され、電子譲渡可能記録に関するUNCITRALモデル法対応、デジタル経済協定締結、国際標準準拠システム構築等の施策が確認された。これらの知見を踏まえ、日本における今後の施策案として、書類の電子化、データ連携性向上、ネットワーク効果創出の3つの目標に対応した包括的なロードマップが策定された。施策は2023年から2026年以降にかけて段階的に実施される計画となっており、官民連携による体系的なデジタル化戦略の構築が重要な柱として位置づけられている。