令和4年度経済産業省デジタルプラットフォーム構築事業(「事業継続力強化計画」の電子申請システム改修・保守運用、調査事業)調査報告書
報告書概要
この報告は、経済産業省における事業継続力強化計画の電子申請システム導入効果について検証した報告書である。従来の紙申請と電子申請システムによる処理時間の比較調査を実施し、電子申請化による事務処理の効率化効果を定量的に分析している。調査対象は全国9つの地方経済産業局等であり、申請受付から認定完了までの各工程における処理時間を詳細に計測した。また電子申請システム利用者に対するアンケート調査も併せて実施し、利用者満足度や改善要望を把握している。
調査結果では、電子申請化により全ての経済産業局において申請1件あたりの処理時間が短縮され、平均で37.9%の削減率(約54分の削減時間)を達成したことが確認された。特に申請受付時の処理時間が37.8%、付け出し作業が45.1%、再審査が44.1%、認定完了までの手続きが53.0%削減された。これは主に従来の紙申請で必要であったスキャン作業、手動入力作業、申請不備の修正依頼、認定通知書の郵送作業等が電子化により不要となったためである。
電子申請システムの導入により、申請ミスの低減、受付表入力時間の削減、レポート機能による集計作業の効率化、承認通知書ダウンロード機能による郵送作業の削減等、多面的な業務効率化が実現された。一方で課題として、申請画面でのタイムアウト問題、PDF出力機能の認知不足、審査状況の可視化不足、操作方法に関するFAQの充実等が指摘されている。利用者アンケートでは約3分の2が満足度5段階評価で4以上を回答し、24時間申請可能、紙準備手間削減、コスト削減等の利便性が高く評価されている。今後は指摘された課題の改善により、更なる利用促進と効率化が期待される。
