令和4年度地球温暖化・資源循環対策等に資する調査委託費(2050年カーボンニュートラルに必要な技術に係る横断分析調査)調査報告書
報告書概要
この報告は、2050年カーボンニュートラルに必要な技術に係る横断分析について書かれた報告書である。アメリカ合衆国、イギリス、欧州連合における炭素除去技術(NETs)の開発支援推進機関およびプログラムを調査分析し、CO2サプライチェーンの技術動向と市場動向を包括的に検討している。アメリカではエネルギー省(DOE)の下部組織であるエネルギー高等研究計画局(ARPA-E)、化石エネルギー・炭素管理局(FECM)、新設が検討されている気候高等研究計画局(ARPA-C)が技術開発支援を実施している。イギリスではビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)および英国研究・イノベーション機構(UKRI)が中心となり、EUでは欧州委員会のHorizon 2020やイノベーション基金が推進役を担っている。技術面では植林・再生林、土壌炭素貯留、バイオ炭、BECCS、DACCS、風化促進、海洋肥沃化、海洋アルカリ化などの炭素除去技術について詳細な分析を行っている。CO2サプライチェーンでは回収・輸送・貯留の各要素技術の成熟度レベルとコスト構造を評価し、技術革新によるコスト削減の方向性を示している。また各国の政策動向として、EU-ETSの改正、アメリカの45Q税額控除制度、イギリスのRTFO制度などの炭素価格メカニズムと支援制度を分析している。さらにネガティブエミッション市場創出に向けた検討会を設立し、国内外の技術現状分析と関連事業者からのヒアリングを実施した結果をまとめている。
