令和4年度質の高いインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業(チュニジア国・再生可能電源による海水淡水化開発調査事業)調査報告書

掲載日: 2023年6月9日
委託元: 経済産業省
担当課室: 製造産業局国際プラント・インフラシステム・水ビジネス推進室
委託事業者: 豊田通商株式会社
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報告書概要

この報告は、チュニジア国における再生可能エネルギーを活用した海水淡水化開発に関する事業実施可能性調査について書かれた報告書である。

チュニジアは降雨量が少なく地下水の塩分濃度が高いという自然条件のため、エネルギー集約的な海水淡水化技術への依存度が高まっている現状がある。同国の発電量の96%を火力発電が占め、燃料の60%を輸入に依存しているため、安定かつ低コストでの水供給には再生可能エネルギーの導入が重要な課題となっている。本調査では、水需要が特にひっ迫しているチュニジア中部の沿岸地域及び南部を対象地域として設定し、海水淡水化プラントと太陽光発電プラントを組み合わせた開発計画の検討を行った。

調査の主要な内容として、水需要を基にしたSONEDE(チュニジア水道公社)の海水淡水化プラント中期開発計画の策定、託送制度を考慮した再生可能エネルギープラントの中期開発計画の策定、モデルプロジェクトのPre-FSの実施が含まれている。対象プロジェクトは、チュニジア中部のMahdiaもしくは南部のZarzisに建設予定の海水淡水化プラントと、これに電力を供給する太陽光発電所から構成されている。

基礎調査では、水道・水資源、電力、ビジネスモデル、財務分析、環境社会配慮制度について詳細な検討が実施された。海水淡水化及び再生可能エネルギーの事業計画では、各地域の開発計画と太陽光発電による電力供給計画が策定され、適用可能な技術の検討も行われた。モデルプロジェクトのPre-FSでは、海水淡水化施設と太陽光発電施設の概略設計、概算工事費算定、ビジネスモデルの検討、財務分析、環境社会配慮が実施され、事業化に向けた課題が整理されている。