令和4年度国内における温室効果ガス排出削減・吸収量認証制度の実施委託費(近畿経済産業局J-クレジット制度推進のための地域支援事業)事業報告書
報告書概要
この報告は、令和4年度におけるJ-クレジット制度推進のための近畿経済産業局地域支援事業について書かれた報告書である。J-クレジット制度は中小企業等の再エネ省エネ設備導入や森林管理によるCO2削減・吸収量を国が認証する制度として平成25年に開始され、令和5年3月時点で累計446件のプロジェクトが登録、約626万トンのクレジットが認証されている。本事業では近畿経済産業局管内においてクレジットの認証支援、創出・活用先の開拓、制度説明会及び地域ネットワーク会議の開催を実施した。
認証支援では地域活性化に繋がる2件を目標として既登録事業者への協力依頼を行い、A自治体の太陽光発電案件では約1000トンのクレジット創出見込み、B自治体の未利用廃熱発電案件では来年度認証申請の方針を決定した。クレジット創出・活用先の発掘では、C自治体の太陽光・コージェネ案件及びLED導入案件が第53回認証委員会で承認され、それぞれ21829トン、17809トンの削減量見込みとなった。また大手電機メーカーE社の工場カーボンオフセット600トンや制度説明会のオフセットを実施した。
制度説明会は大阪と和歌山で開催し、計73名が参加してJ-クレジット制度の概要、参加手続き、活用事例等を説明した。地域ネットワーク会議では32名が参加し、プログラム型クレジットの寄付スキーム、空調方法論、認証手続き簡素化、木材利用方法論、GXリーグとの関係性について活発な意見交換が行われた。事業を通して、2050年カーボンニュートラル宣言により大企業は実行段階に移っているが、中小企業では人材不足や手続き煩雑さが課題として残っており、引き続き広報強化、手続き簡素化、審査機関拡充等の対策継続が必要である。