令和4年度化学物質安全対策(代替フロン分野における2050カーボンニュートラル実現に向けた基盤調査)報告書
報告書概要
この報告は、代替フロン分野における2050年カーボンニュートラル実現に向けた化学物質安全対策について書かれた報告書である。本報告書は、IoT機器による遠隔監視システムの導入普及、フロン排出量算出モデルの見直し、需給逼迫の影響を受けるエンドユーザーの特定と対策、次世代冷媒実用化に向けた規制・特許動向調査の4つの主要テーマを扱っている。IoT機器による遠隔監視システムについては、フロン排出抑制法において業務用冷凍・空調機器の簡易点検の代替として位置づけられたが、定期点検での位置づけはまだなされていない状況である。定期点検の法定点検化に向けては、目視・聴覚による点検、直接法、間接法の遠隔監視システムへの代替可能性が論点として整理されている。フロン排出量算出モデルの見直しでは、2050年に向けた将来値を算出するための推計方法が検討されている。需給逼迫の影響調査では、機器管理者約1100社にアンケート調査を実施したが、回答率は極めて低く20社にとどまり、フロン類冷媒への関心の低さが示された。スーパーマーケット業界などコスト意識の高い業界では、遠隔監視システムの設置効果と併せて冷媒不足対策を紹介することで認識向上を図る方法が効果的と考えられる。今後は業界団体を通じた周知に加え、展示会等のイベントでの接点拡大や、経済産業省ホームページでの国民への広範な周知が必要とされている。
