令和4年度技術協力活用型・新興国市場開拓事業(制度・事業環境整備事業(開発途上国のIT人材育成を通じた事業環境整備))事業報告書
報告書概要
この報告書は、経済産業省委託による開発途上国のIT人材育成を通じた事業環境整備について書かれた報告書である。本事業は、南アフリカおよびブラジルを対象地域として、現地の優秀なIT人材を発掘し、日本企業でのインターンシップを通じて実践的な技術力向上と日本企業との関係構築を目的としている。事業は株式会社DIVE INTO CODE、インバウンドテクノロジー株式会社、株式会社イースクエア、株式会社Double Feather Partnersの4社により実施された。
主要な活動として、まずオンラインによるコーディング・コンテストを実施し、対象地域の大学生から優秀な人材を選抜した。コンテストには両地域から多数の参加者があり、技術レベルの評価と同時に地域別・国別の技術傾向の分析も行われた。選抜された上位成績者に対しては、日本または第三国でのインターンシップの機会が提供され、実際の企業環境での実務経験を積む機会が創出された。
インターンシップ実施にあたっては、受け入れ企業の募集・選定から候補生とのマッチング、実際の研修実施まで包括的なサポートが提供された。また、インターンシップの効果を最大化するため、事前研修および事後研修がオンラインで実施され、日本のビジネス文化や技術動向に関する理解促進が図られた。さらに、インターンシップ参加者に対しては成果確認テストを実施し、技術力向上の定量的な測定も行われた。
調査研究面では、事業対象地域におけるIT市場とIT人材の現状に関する詳細な調査が実施され、アフリカおよびラテンアメリカのIT産業の現状、人材需給ギャップ、求められる技術スキル、給与水準などが分析された。同時に、日系企業に対するヒアリング調査も実施され、海外IT人材活用の現状と課題、今後の展望について情報収集が行われた。最終的には成果報告会が開催され、事業成果の共有と今後の展開に向けた議論が行われた。
