令和4年度無人自動運転等のCASE対応に向けた実証・支援事業委託調査(電動化社会実現のための充電インフラの普及促進に向けた調査)
報告書概要
この報告は、電動化社会実現のための充電インフラの普及促進について書かれた報告書である。経済産業省の委託により、みずほ銀行が実施した令和4年度の調査であり、日本における電気自動車普及に向けた充電インフラ整備の実態把握と将来推計、政策提言を目的としている。
日本の二酸化炭素排出量における運輸部門の割合は17.7%であり、そのうち87.6%を自動車が占めており、カーボンニュートラル実現には車の脱炭素化が不可欠である。電気自動車の普及が期待される中、充電インフラの整備が重要な課題となっている。現状として、BEVとPHEVの保有台数は合計約33万台であり、都市部での保有率が高く、特に東京都、神奈川県、愛知県などで普及が進んでいる。
調査は充電インフラの実態把握・将来推計、国内外の充電インフラ政策・規格、充電ビジネスモデル形成の三つの軸で実施された。海外では欧州、米国、アジア各国の政策動向を調査し、日本の実情と比較分析を行っている。特に充電器の技術規格について、国内外の標準化動向を整理している。
充電ビジネスの課題として、公共急速充電では料金単価の安価設定と不公平な料金体系、高額なイニシャルコストとランニングコスト負担が挙げられる。普通充電では料金単価引き上げの限界と、特に集合住宅における設置合意形成の困難さが指摘されている。これらの解決策として、料金単価の引き上げと従量課金制への移行、複数口充電器の導入、電気料金体系の見直しなどが提案されている。官民双方の連携による制度整備と技術開発の推進が必要であるとしている。
