令和4年度地域経済産業活性化対策等調査(商店街等におけるデザイン経営の活用可能性調査)報告書

掲載日: 2023年6月22日
委託元: 経済産業省
担当課室: 九州経済産業局産業部流通・サービス産業課
元の掲載ページ: 掲載元を見る
令和4年度地域経済産業活性化対策等調査(商店街等におけるデザイン経営の活用可能性調査)報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、商店街におけるデザイン経営の活用可能性について書かれた報告書である。経済産業省九州経済産業局が令和4年度に実施した調査により、外部環境の変化で厳しい状況に置かれた商店街の自己変革を支援する手段として、デザイン経営の有効性を検証している。デザイン経営とは、人を中心に考えることで根本的な課題を発見し、従来の発想にとらわれない実現可能な解決策を柔軟に反復・改善しながら生み出す経営手法である。調査では文献調査、アンケート調査、ヒアリング調査を通じて、宮城県栗原市の六日町通り商店街、福岡県大牟田市の銀座通商店街など5つの事例を分析した。さらに「商店街Xプロジェクト ワークショップ」を開催し、デザイン経営手法の実践機会を提供している。ワークショップでは未来への妄想から始まる6つのステップを通じて、商店街の将来像を描き、小さな実行による価値創造を促進した。調査結果から、商店街におけるデザイン経営実践には「人格形成」「価値創造」「文化の醸成」という3つのフレームが重要であることが判明した。起点となるのは意志と情熱を持った内なる実践者による人格形成であり、未来の妄想を実現する手段を小さく始めて価値創造を進め、仲間集めと情報発信により文化の醸成を目指す循環が必要である。今後の支援方向性として、デザイン経営導入事例の紹介と実践機会の創出、価値創造・文化醸成を加速化するためのネットワーク形成が提言されている。