令和4年度重要技術管理体制強化事業(産業競争力強化法に基づく技術情報管理認証制度の普及促進に向けた調査分析等事業)報告書
報告書概要
この報告は、産業競争力強化法に基づく技術情報管理認証制度の普及促進について書かれた報告書である。グローバル競争の進展により事業者の技術情報管理の重要性が高まる中、特に中小事業者における情報管理の知見・経験不足が課題となっている。経済産業省は技術情報管理に必要な項目を基準として示し、第三者認証により事業者の管理能力向上を図る認証制度を整備した。本報告書では、認証制度の普及促進に向けた調査分析として、事業者が自らの基準適合性を確認できる自己チェックリスト及び活用ガイド整備を実施した。自己チェックリストは技術等情報漏えい防止措置に関する指針の必要最低限対策に第三者情報預託時対策を加えた19項目で構成され、ファーストステップとセカンドステップに分けて整理された。Excel形式で提供し、レーダーチャートによる評価結果の可視化機能を含んでいる。また、漏えい防止措置に関する基準内容の検討では、関連基準の項目更新やサイバー攻撃脅威の変化への対応について検討した。業界団体等との連携による普及活動では、製造業を中心とした事業者へのヒアリングを実施し、認証取得事業者の声を収集した。今後の方向性として、自己チェックリスト及び活用ガイドを活用した体系的な普及策の実施、基準見直しに関する方針策定、認証取得事業者へのインセンティブ創出、認証機関増加のための環境整備、業界団体活動との連携推進が示されている。これらの取組により中小事業者の技術情報管理能力向上を図り、我が国産業の競争力向上に資するイノベーション促進環境の整備を目指している。
