令和4年度燃料安定供給対策に関する調査事業(製油所の事業転換に向けた技術動向に関する調査)調査報告書
報告書概要
この報告は、製油所の事業転換に向けた技術動向について書かれた調査報告書である。カーボンニュートラル目標の達成と石油・輸送用液体燃料の重要性への対応を両立させるため、日本の石油産業が世界の先行事例を参考にして国際競争力を向上させることが求められている背景のもと、海外主要国における製油所の事業転換に関する技術的側面からの調査が実施された。調査対象は欧州、北米、アジア地域の先進的な取り組み実績と計画であり、既存設備の次世代バイオリファイナリーへの転換、プラスチックリサイクルへの活用、合成燃料等の低炭素燃料設備の新設等の事例が増加している現状が明らかにされた。具体的には、スペインのRepsol社、フランスのTotalEnergies社、オランダのShell社、スウェーデンのPreem社などの主要石油精製企業の転換事例について、規模・設備構成・適用技術等の詳細な分析が行われた。また、低炭素燃料製造技術の動向として、石油代替・低炭素燃料の分類と特徴、バイオ燃料製造技術、廃棄物活用技術、合成燃料活用技術の技術成熟度や市場動向が検討された。これらの調査結果を通じて、日本への実装可能性や導入時の制約等の課題について分析・考察が行われ、国内石油産業の政策立案と民間企業の戦略立案に資する知見が提供されている。
