令和4年度「地域・企業共生型ビジネス導入・創業促進事業(地域・社会課題の発掘と解決に向けたマッチング)(関東オープンイノベーションチャレンジ ~官民共創による地域エコシステム構築事業~ )」報告書

掲載日: 2023年6月30日
委託元: 経済産業省
担当課室: 関東経済産業局産業部流通・サービス産業課
委託事業者: 株式会社Publink
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令和4年度「地域・企業共生型ビジネス導入・創業促進事業(地域・社会課題の発掘と解決に向けたマッチング)(関東オープンイノベーションチャレンジ ~官民共創による地域エコシステム構築事業~ )」報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、関東経済産業局が実施した地域・企業共生型ビジネス導入・創業促進事業について書かれた報告書である。人口減少や少子高齢化により地域住民向けサービスが縮小し、民間事業者による事業継続が困難になる中、行政機関も増加する地域・社会課題の解決に苦慮している状況を背景としている。このため地方自治体が解決したい地域・社会課題と、それをビジネスチャンスと捉える民間事業者との共創による課題解決体制構築を目指した事業が実施された。

事業では四つの主要な取組が行われた。まず地方自治体との面談を通じて官民連携への参画意向をヒアリングし、課題のオープン化を促進するためのセミナーやワークショップを実施した。次に地域内外のベンチャー企業・中小企業・大企業等とのマッチングを行い、連携パートナーを選定した。その後、連携体制構築に向けたビジネスプラン作成と実施に向けた伴走支援を提供し、最後に成果の普及を図るための報告会を開催した。

具体的には、関東経済産業局と株式会社Publinkのネットワークを活用して9つの地方自治体と面談を実施し、このうち千葉県市原市、茨城県つくば市、茨城県かすみがうら市の3自治体が参画することとなった。これらの自治体に対してピッチスキル向上のためのワークショップを開催し、企業が連携したくなるような課題の伝え方を指導した。また官民連携事業情報を一覧化してWebサイトに掲載し、企業の調査コストを削減しつつ認知拡大を図った。

企業募集では事業説明会兼ガバメントピッチをオンラインで開催し、51社から合計59提案の応募があった。選考の結果、つくば市ではdot button company株式会社がブランディングを通じた周辺地域活性化に取り組み、かすみがうら市と市原市では株式会社CASEが空き家・遊休施設活用やふるさと納税を活用した地域商社活動にそれぞれ取り組むこととなった。

各プロジェクトでは、つくば市が周辺地域のブランディング戦略構築を進め、市原市がサンプラザ市原を拠点としたコミュニティ活性化と地域企業支援に取り組み、かすみがうら市が空き家活用と地域全体の活性化構想を検討した。いずれのプロジェクトも企業からの革新的な提案により自治体職員の熱量が高まり、組織内調整に向けた動きにつながったとされている。成果として政策立案プロセスにおける解決策実験の一歩手前まで進めることができ、官民連携による新たな可能性を示すことができたと評価されている。