令和4年度産業保安等技術基準策定調査研究等事業(ガストーチの安全性能に関する技術基準の策定等調査事業)報告書

掲載日: 2023年6月30日
委託元: 経済産業省
担当課室: 産業保安グループ製品安全課
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令和4年度産業保安等技術基準策定調査研究等事業(ガストーチの安全性能に関する技術基準の策定等調査事業)報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、ガストーチの安全性能に関する技術基準の策定について書かれた調査報告書である。近年アウトドアやDIY、炙り料理などでガストーチの使用者が増加している一方で、接続部からのガス漏れや火災、やけどなどの事故が発生し、増加傾向にある。現在ガストーチは液化石油ガス法における「液化石油ガス器具等」に含まれておらず、技術基準が適用されていないため、品質管理が不十分な輸入品がネット通販で多数流通し、事故が多発している状況である。

調査では直近10年間の事故事例を分析し、器具栓や容器接続部からのガス漏れ、異常燃焼が主な事故原因であることを明らかにした。国内流通しているガストーチの種類と特徴を調査し、規制対象範囲を検討するとともに、16機種を選定して現物調査と試験を実施した。海外の技術基準についてもEN521、AS/NZS2658、UL147等を調査し、比較検討を行った。

技術基準案の検討では、ガス漏れ防止のためのOリングの熱耐久性と耐ガス性、気密性能、異常燃焼防止、器具栓の反復使用性能などを重要な安全要求事項として規定した。また制御装置を離した時のガス遮断機能についても追加規定することとした。ガストーチ技術基準検討委員会を3回開催し、学識経験者、機器メーカー、消費者団体等からの意見を踏まえて技術基準案を策定した。

今後は液化石油ガス法に基づく技術基準の適用範囲にガストーチを追加指定し、製造・輸入事業者に技術基準適合義務を課すことで、品質管理の徹底と事故防止を図る必要があるとしている。