令和4年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査等事業(卸電力市場、需給調整市場及び需給運用の在り方に関する調査事業)調査報告書

掲載日: 2023年6月30日
委託元: 経済産業省
担当課室: 資源エネルギー庁電力・ガス事業部電力産業・市場室
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報告書概要

この報告は、卸電力市場、需給調整市場及び需給運用の在り方に関して海外の電力市場制度を調査した報告書である。

令和4年度にエネルギー需給構造高度化対策の一環として、有限責任監査法人トーマツが資源エネルギー庁からの委託により実施した調査である。調査対象国は米国、英国、アイルランド、ドイツの4カ国であり、これらの国における電力市場の全体像、卸電力市場への参加形態、発電・ガス事業関連規制、効率的・安定的な燃料調達行動を促すための情報公開について詳細に分析している。

米国PJMの電力市場では、前日市場及びリアルタイム市場においてΔkW電源とkWh電源が同時に取引され、SCUCとSCEDを含む計算プロセスを経てΔkW電源とkWh電源の最適化を図る点が特徴である。英国では複数のkWh市場が利用可能であり、ΔkW電源の調達は長期的には公募により、短期的には市場により調達される。アイルランドでは出力調整可能な電源に対してバランシング市場への参加を義務づけ、SCUC及びSCEDでkWh電源とΔkW電源の最適化を図っている。ドイツでは実需給の5分前に設定されたGCまで時間前取引を行い、BRPがBG内のインバランス解消に努める点が特徴である。

各国の系統運用者は需要量や発電量に関する実績及び予測、インバランス約定価格及び約定量などの情報を公開しており、特にドイツではロシアからのガス供給減少を受けてガス需給やガス市場に関する詳細な情報公開が行われている。