令和4年度石油・ガス供給等に係る保安対策調査等事業 高圧ガス保安に係る国家試験等の実施方法の在り方について報告書
報告書概要
この報告は、高圧ガス保安に係る国家試験等の実施方法の在り方について書かれた報告書である。新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、従来の会場集合型の試験方式に代わる非PBT方式(Computer-Based TestingやInternet-Based Testing)の導入可能性について検討を行った調査研究である。報告書では、まず試験理論の概説として、試験の定義、妥当性と信頼性の概念、古典的試験理論と項目反応理論等について整理している。国家試験等の実施方法に関する他事例調査では、67の試験実施団体にアンケート調査を実施し、そのうち10団体にヒアリング調査を行った。また、非PBT事業者に対するヒアリング調査も実施し、試験システムの概要や運営方法について情報収集を行っている。調査結果から、非PBT方式の採用理由として受験者の利便性向上、事務局の労力軽減、受験機会の拡大が挙げられ、一方で導入コストの高さ、問題作成数の不足、本人確認の困難さが課題として指摘されている。非PBT方式による国家試験等の在り方検討では、試験の実施方式、出題方式、問題形式、合否判定基準、受験者本人確認方法等について具体的な提案を行っている。特に、高圧ガス保安法における資格制度の連続性を保ちながら、従来のPBT方式との比較評価に基づいた標準的な実施方法について検討している。委員会は学識者、法定講習実施機関、民間講習機関等の関係者で構成され、高圧ガス業界団体をオブザーバーとして意見聴取を行いながら議論をまとめている。