令和4年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査等事業(建材トップランナー制度の見直しに向けた調査及び窓の表示制度の状況調査)報告書
報告書概要
この報告は、建材トップランナー制度の見直しと窓の性能表示制度の状況について書かれた報告書である。民生分野のエネルギー消費量が高水準で推移し、2050年カーボンニュートラル目標達成に向けて住宅・建築物の更なる省エネ対策強化が求められる中、断熱材や窓などの建材性能向上が重要課題となっている。建材トップランナー制度では、グラスウール断熱材や押出法ポリスチレンフォーム断熱材などが対象となっており、継続的な性能向上が期待されている。調査では、各建材の出荷量や性能値について業界団体や製造メーカーを対象としたアンケートやヒアリングを実施し、実態把握を行った。グラスウール断熱材については、現行目標基準値を達成しており、密度24K未満の製品の熱伝導率は継続的に改善傾向にある。また、住宅の高断熱化に伴い24K以上の高性能製品の出荷も増加している。押出法ポリスチレンフォーム断熱材についても同様の分析が行われ、2030年新築戸建住宅での目標達成に向けた検討が実施された。非住宅用窓の制度化可能性についても実態調査を行い、商流や製品ラインナップの状況を把握した。窓の性能表示制度については、日本サッシ協会との協議を通じて運用課題や改善点を整理し、ラベル表示方法やガイドライン作成の必要性が確認された。これらの調査結果を踏まえ、総合資源エネルギー調査会の建築材料等判断基準ワーキンググループにおいて審議が行われ、制度見直しに向けた方向性が検討された。
