令和4年度中小企業実態調査事業中小企業関係租税特別措置の効果に関する調査研究報告書
報告書概要
この報告は、中小企業関係租税特別措置の効果について書かれた報告書である。令和4年度に実施された調査では、法人企業20,000社と個人事業主1,000者を対象として、租税特別措置の利用実態や政策効果について定量的な検証が行われた。調査対象企業の業種構成は製造業が27.0%、建設業が20.3%、卸売・小売業が20.0%となっている。新型コロナウイルス感染症の影響については、57.6%の企業が継続的な影響を受けており、コロナ前と比較した業況では32.6%が変わらないと回答したものの、26.7%がやや悪化、23.5%が悪化したとしている。また、63.2%の企業が原油・原材料の高騰による経営への影響を受けており、コスト上昇分の価格転嫁については29.5%が全く転嫁できていない状況である。法人税の軽減税率については55.6%が利用経験があり、増加したキャッシュフローの使用用途として雇用関係が54.8%、設備投資が44.4%となっている。個人事業主については事業承継に関する税制を中心に調査が実施され、後継者の決定状況や事業承継時期、小規模宅地特例の利用状況、個人版事業承継税制の認知度などが分析されている。この調査結果は、中小企業向けの租税特別措置の今後のあり方を検討する上で重要な基礎資料となるものである。
