令和4年度中小企業実態調査委託費 中小企業の新たな担い手の創出及び成長に向けたマネジメントと企業行動に関する調査研究 報告書
報告書概要
この報告は、中小企業の新たな担い手の創出及び成長に向けたマネジメントと企業行動について書かれた報告書である。新型コロナウイルス感染症やエネルギー・原材料価格高騰により厳しい経営環境に置かれた中小企業が、少子高齢化、SDGs等の新たな価値観への移行、地政学リスクの増大などの経済・社会構造変化に直面している現状を踏まえ、起業や事業承継等を契機とした成長志向の中小企業創出と、中核人材確保などの組織能力向上支援の重要性を指摘している。本調査は株式会社帝国データバンクが令和4年度中小企業実態調査委託費事業として実施したものであり、中小企業の成長に向けたマネジメントと企業行動、事業承継・M&A、起業・創業の3つの分野について包括的な分析を行っている。先行研究では、企業家活動における社会ネットワークの重要性、ベンチャー企業における右腕・幹部社員の役割、新事業展開と業績向上の相関関係が明らかにされた。調査は全国の中小企業15,000件を対象に郵送・Web回収方式で実施され、3,466件から回答を得た。経営戦略策定状況では71.4%の企業が直近10年間で戦略を策定しており、84.2%が競合他社と比較して自社戦略を優れていると評価している。創業時の資金調達においては56.4%が創業計画を策定し、50.0%が支援機関から助言を受けていることが判明した。起業家教育については15.1%が受講経験を持ち、教育を通じて経営判断力・実行力、起業家精神、リーダーシップなどの能力向上を図っている実態が明らかになった。
