令和4年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子デバイス産業およびその関連産業における市場動向及び政策動向調査)報告書
報告書概要
この報告は、電子デバイス産業及びその関連産業における市場動向及び政策動向について書かれた報告書である。本調査は経済産業省によって令和4年度に実施され、IoT、ビッグデータ、人工知能などの新技術が産業構造に革新をもたらす大変革時代において、半導体や電子部品の重要性の高まりを背景としている。報告書は5つの章で構成され、電子デバイス産業・半導体市場動向、中国における電子デバイス産業の現状、各国の半導体企業への税制優遇措置、注目すべき5分野の詳細調査、ディスプレイ市場動向を包括的に分析している。調査手法としてはOMDIAの独自データベース、関連企業へのヒアリング、公開情報の収集を組み合わせ、複数ソースからの情報をダブルチェックしながら実施された。特に注目すべき技術として次世代ディスプレイであるMicro LEDが取り上げられており、自発光素子による高画質と耐久性を実現する一方で、製造工程の複雑さとコストの高さが課題となっている。TFT LCDが大面積ガラス基板での均一処理により効率的な生産を可能とするのに対し、Micro LEDは小径シリコンウエハー上でのLED素子形成と機械的配列という膨大な作業を要するため、2026年時点で75インチTVの価格がTFT LCD比約19.4倍になると予想されている。このコスト課題の解決策として、超大画面用途と超小型用途の両面からの実用化が進められており、ソニーやサムスンが大型ディスプレイ向けに出荷を開始している。また、Mini LEDバックライトを用いたTFT LCDの改良による中間的な解決策も検討されており、既存技術の応用によりコントラスト特性の向上を図っている。
