令和4年度エネルギー需給に関する統計整備等のための調査(エネルギー消費統計調査の集計及び利用分析に係る調査研究)報告書

掲載日: 2023年7月6日
委託元: 経済産業省
担当課室: 資源エネルギー庁長官官房総務課戦略企画室
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令和4年度エネルギー需給に関する統計整備等のための調査(エネルギー消費統計調査の集計及び利用分析に係る調査研究)報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、令和3年度エネルギー消費統計調査の集計と分析、および統計の精緻化に関する調査研究について書かれた報告書である。資源エネルギー庁では、従来の石油等消費動態統計では把握できなかった非製造業や中小製造業、業務部門のエネルギー消費実態を把握するため、平成19年度からエネルギー消費統計調査を本格実施している。令和3年度調査では、産業部門と業務部門を対象として、業種別・エネルギー種別の消費実態を調査し、標本調査に基づく拡大推計により全国のエネルギー消費量を推定した。

調査の集計では、金額回答から消費量への換算処理、外れ値の処理、差推定による時系列変動の平滑化などの前処理を実施した後、層区分ごとに拡大推計を行い集計表を作成した。回答状況の分析では、従業員規模が小さい事業所ほど金額把握の割合が高く、エネルギー消費量の把握が困難である傾向が確認された。また、ローテーション・サンプリングの導入により回答者負担の軽減と統計精度の向上が図られている。

燃料種別・業種別のエネルギー消費動向分析では、製造業では電力消費が最も多く、業務部門では都市ガスの利用も多いことが明らかになった。自家用発電や蒸気発生に関する転換効率の分析も行われ、コジェネレーションの総合効率や各種ボイラの発熱効率の分布が把握された。経年変化の要因分析では、新型コロナウイルスの影響による活動量の変化が消費量減少の主要因であることが確認された。

統計の精緻化に向けた検討では、時系列変動の大きい業種・燃料種の組合せを特定し、推計方法の改善を検討した。単純推定と差推定の比較分析により、差推定の有効性を確認しつつ、標本設計の見直しの必要性も示された。また、従業員規模の小さい区分の推計精度向上のため、回帰分析による原単位推定手法の検討を行った。総合エネルギー統計の精度向上に向けては、原料用消費量の調査項目追加や、現在採用していない燃料種のデータ活用について検討が行われた。