令和４年度成長型中小企業等研究開発支援事業（研究開発支援等の中小企業施策に関する分析デザイン等調査）

この報告は、中小企業庁が実施した成長型中小企業等研究開発支援事業の分析デザイン等調査について書かれた報告書である。本事業は、中小企業における研究開発支援政策をより効果的に推進するため、データ利活用に基づく政策立案の高度化を目的として実施された。株式会社帝国データバンクが受託し、2022年12月から2023年3月にかけて中小企業庁への常駐対応と相談・ヒアリング業務を行った。主な活動内容として、毎週水・木曜日に調査室への常駐対応を実施し、各課が保有するデータの利活用や定量データの抽出に関する相談を受けた。また、利用可能なデータ・システムの紹介と各課における潜在的な分析ニーズの明確化を目的として、職員へのヒアリングを実施した。特に重要な成果として、成長志向の中小企業に関する分析支援を行い、過去10年間で売上高1億円から10億円未満の企業から100億円以上に成長した127社を特定した。さらに、Go-Tech事業の効果検証として、採択事業者のうち14社が中小企業から中堅・大企業へ成長し、平均成長年数は3.2年であることを明らかにした。データベース提供では、10年分の企業概要データや財務データ等を中小企業庁職員が自由に利用できる形で提供し、継続利用のための購入データも整備した。今後の課題として、分析環境の事前把握、受託事業者による幅広いデータの情報発信、中小企業庁との連携強化が挙げられ、これらの改善により職員のデータ利活用実践と知見蓄積の促進が期待される。