令和4年度産業保安等技術基準策定調査研究等事業(産業保安に関連する課題に対する新たな解決アプローチ推進調査(ウェアラブルデバイスに資する動向調査))報告書
報告書概要
この報告は、産業保安分野におけるウェアラブルデバイスの活用による保安高度化について書かれた報告書である。経済産業省が実施した調査研究事業として、プラント現場等における保安業務の合理化と作業者の労働災害防止を目的とし、ウェアラブルデバイスの普及拡大による産業保安の向上を目指している。調査では三つの主要な内容が実施された。まず、現在のウェアラブルデバイス技術とサービス提供内容を整理するシーズ調査が行われ、スマートフォン、スマートグラス、スマートウォッチ、ヒアラブルデバイス、タブレット等の各種デバイスについて技術動向が調査された。次に、プラント分野及び関連他分野における利活用場面を想定したニーズ調査として、複数の産業分野の企業・団体へのヒアリング調査が実施された。さらに、これらの調査結果を基に、魅力的かつ汎用的なウェアラブルデバイスのサービス機能・仕様の検討が行われた。調査の結果、防爆対応のウェアラブルデバイスも複数存在することが確認され、特に労災リスク低減に資するサービス展開への期待が高いことが明らかとなった。また、建設現場におけるデータ集約システムとの連携や、ヒヤリハット情報との連携といった具体的なサービス開発の方向性も示された。本検討ではスマートウォッチに注目し、導入判断を行う経営層と装着する作業員双方に訴求力を持つサービスの方向性が検討された。その結果、労災リスクの低減や作業員の保護をベースとしながら、生産性向上、稼働停止の低減、従業員のQOL向上といった包括的な便益を提供するサービス展開が提案された。
