令和4年度経済産業省デジタルプラットフォーム構築事業(産業保安システムにおけるデータ収集・分析の自動化及びグラフ等可視化に関する実証調査機能追加準備)調査報告書
報告書概要
この報告は、経済産業省における産業保安・製品安全行政のBIツール活用に関する調査について書かれた報告書である。本事業では、保安ネットに蓄積されたデータを用いた統計分析業務において、BIツールを活用することで、産業保安・製品安全行政における許認可・規制の確実な履行及び蓄積データ毀損の恐れに係る予防に対処することを目的としている。現状の課題として、画一的な規制の実施、外部機関による限定的な統計分析業務の実施、データ集計の誤りの発生、情報連携漏れのリスクが挙げられている。
調査では、BIツールとしてPowerBIとTableauの2製品を候補として、視認性、操作の容易性、産業保安・製品安全業務との親和性、費用の観点から比較検討が行われた。また、産業保安グループ関係課室に対する業務調査を実施し、統計分析業務の実施状況や課題の整理を行った。具体的には、電力安全課、高圧ガス保安室、製品安全課、ガス安全室、鉱山・火薬類監理官付を対象として、現行の事故・法令違反の集計業務のフローや作業詳細をヒアリングし、作業上の課題を抽出した。
ダッシュボードの開発においては、内部用ダッシュボード及びレポートと公表用レポートについて、関係するアクター毎に利用権限を定義し、デモ環境の構築を通じて産業保安グループ関係課室共通で必要となる機能や運用上の留意点を明確化した。さらに、統計分析結果の公表について、BIツールを利用した公開、Webページに埋め込む形での公開、ファイル出力による公開の3パターンで整理し、それぞれのメリット・デメリット、想定課題と対応方針案を検討した。最終的に、事故・法令違反の予兆検知の実現、データ入力の自動化、データ集計の自動化を将来像として設定し、次年度以降の必要作業やスケジュールが提示された。
