令和４年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業（海外投資拡大に向けた企業体制変革に関する調査）調査報告書＜日本語詳細版＞

この報告は、本邦企業による海外投資拡大に向けた企業体制変革について書かれた報告書である。経済産業省の委託により、ストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社が令和4年度に実施した調査結果をまとめている。

本調査では、海外投資に関するデータ整理・分析、海外投資推進における課題整理、政策的対応策の検討という3つの主要な観点から分析を行った。海外投資データの整備においては、基本的な投資データに加えて、スタートアップ投資やインフラ投資などの多様な投資手法も対象として、2017年から2021年までの投資件数推移や地域別・手法別の投資動向を詳細に分析している。

課題整理では、国内企業14社と海外企業5社に対してヒアリング調査を実施し、海外投資実行や株主価値向上に関する課題とポイントを抽出した。また、過去5年の海外投資実行件数とTSRを用いて、本邦企業を海外投資の活用状況別に類型化し、海外投資で得た経営資源の国内への還流状況についても分析を行っている。

政策的対応策として、海外投資活用のベストプラクティスを整理し、本邦企業の一般的な取り組みとの差分から課題を特定した。具体的な施策として、ガイダンスの公表、ガイドラインの整備、ナレッジシェア、パートナリングの機会提供、ファイナンス支援、ルール形成の6つの方向性を提示している。さらに、水素と再生可能エネルギーをテーマとした本邦企業とASEAN企業のネットワーキングイベントをシンガポールで開催し、事業の相互理解と協業余地の探索を実施した結果、将来的なパートナリング候補との関係構築に寄与したことが確認されている。