令和4年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査等事業(福島県における水素社会のモデル構築に関する調査)調査報告書
報告書概要
この報告は、福島県における水素社会のモデル構築について書かれた報告書である。資源エネルギー庁の委託により三菱総合研究所が実施した令和4年度の調査事業であり、福島新エネ社会構想に基づく水素利活用の更なる拡大と関連産業の育成・集積を目的としている。
調査の中核は産業需要家14事業所に対するヒアリング調査であり、会津地方6事業所、中通り地方6事業所、浜通り地方2事業所を対象として実施された。対象事業所はエネルギー管理指定工場、エリア特徴的業種、脱炭素に積極的な企業という観点から抽出され、燃料や水素の利用状況、水素導入への関心、実証・導入支援への要望、再生可能エネルギー導入や省エネの検討状況について調査が行われた。
水素利用技術の動向整理では、商用化済みのオンサイト型水電解装置、FCフォークリフト、水素ステーション、FCバス、水素バーナー、ボイラ等の仕様が詳細に分析されている。またNEDOの技術開発事業における住友ゴム工業の水素ボイラー実証研究、デンソーの水素オンサイト製造・燃焼利用システム、ヒメジ理化のP2G対応水素・酸素燃焼バーナー、トヨタ自動車のマルチパーパスFCEV実証等の先進事例が紹介されている。
福島県における水素関連産業の集積・育成に関しては、県内の工業団地分布・立地業種、再生可能エネルギー分布状況、電力系統の混雑状況が分析され、エネルギー・エージェンシーふくしまの産業振興戦略やチームやぶきの活動についても調査が実施された。さらに協議会開催として第五回福島県における水素社会のモデル構築に向けた産学官連携会議の開催支援が行われ、2022年度の水素分科会の開催実績についても整理されている。
