令和4年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査等委託費(カーボンニュートラル実現に向けた北海道の再エネ活用研究会の開催及びカーボンニュートラル対応状況調査)調査報告書
報告書概要
この報告は、北海道の再生可能エネルギー活用によるカーボンニュートラル実現に向けた取り組みについて書かれた調査報告書である。経済産業省北海道経済産業局が設置した研究会の運営と、道内企業のカーボンニュートラル対応実態調査が主な内容となっている。研究会では、液化バイオメタンの実用化に向けたコスト削減と規制緩和の必要性、寒冷地での電気自動車普及における課題、太陽光・風力発電の出力変動対策としてのリユース蓄電池と水電解装置の組み合わせ活用などが議論された。また、地域資源を活かした再エネ活用事例として、小水力発電による公共施設への電力供給、木質バイオマス由来電力の東京都民向け販売、廃熱を利用したイチゴ栽培による雇用創出などが紹介されている。企業向けアンケート調査では474社を対象とし116社から回答を得て、カーボンニュートラルに対する認識と取り組み状況を調査した。調査結果からは、多くの企業がカーボンニュートラルの必要性を認識しているものの、具体的な手法に関する情報不足、高いコスト負担、人材不足などの課題により実際の取り組みに至っていない実態が明らかになった。この調査により、再生可能エネルギーの最大限導入と地域経済活性化を通じた2050年カーボンニュートラル実現に向けた具体的な方策検討の基礎資料が整備された。
