令和4年度産業技術調査事業(研究開発事業終了後の実用化状況等に関する追跡調査・追跡評価)報告書

掲載日: 2023年8月1日
委託元: 経済産業省
担当課室: 産業技術環境局研究開発課技術評価室
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令和4年度産業技術調査事業(研究開発事業終了後の実用化状況等に関する追跡調査・追跡評価)報告書のサムネイル

報告書概要

この報告書は、経済産業省が実施した研究開発事業の終了後における実用化状況等を調査・評価した令和4年度の追跡調査・追跡評価について書かれた報告書である。経済産業省では技術評価指針に基づき、研究開発事業終了後の成果の実用化や中止・中断状況、特許等知的財産の利用状況等を把握・分析し、今後の研究開発マネジメント向上に資する情報を得るために追跡調査および追跡評価を実施している。

今年度は平成28年度、平成30年度、令和2年度に終了時評価を行った15事業に参加した113機関を対象として追跡調査アンケートを実施し、104機関から回答を得た。調査では研究開発成果の製品化や事業化の状況、知的財産の利用状況について把握するとともに、事業化と中止・中断を分ける要因分析等を行った。また、過去13年分のデータを加えた総合的な分析により、有意差検定やロジスティクス回帰分析等の統計手法を用いて研究開発マネジメント向上に資する知見を抽出した。

追跡評価では、成功例と課題を抱える事例として「国際基準に適合した次世代抗体医薬品等の製造技術開発」と「密閉型植物工場を活用した遺伝子組換え植物ものづくり実証研究開発」の2事業を選定し、専門委員による詳細な評価を実施した。前者は技術的成果は高い評価を得たものの事業化に向けた体制やレギュレーション対応に課題があり、後者は革新的技術開発に成功したが制度面での環境整備不足により実用化に至らなかった。

評価結果を踏まえた提言では、評価制度の改善として複数省庁連携が必要な案件への対応体制強化、時間軸上の複数プロジェクトをプログラムとして捉えた評価基準の見直し、国際ルール形成に精通する専門家の関与拡大等が示された。さらに評価の形骸化を避け、フィードバック機能を重視した評価体制の構築、ハンズオン的なバックアップ体制の整備等が重要であるとされた。