令和4年度政策プロセスの高度化推進に関する検討会の開催及び調査事業報告書
報告書概要
この報告は、令和4年度における政策プロセスの高度化推進に関する検討会の開催及び調査事業について書かれた報告書である。経済産業省が株式会社エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所に委託して実施された事業の成果をまとめたものとなっている。
背景として、限りある政策資源を有効活用するため、統計データ等を用いた政策の効果分析を通じて効果的な政策を選択し、効果が低い事業については見直しや廃止を行うことが重要であり、エビデンスに基づく政策形成(EBPM)が2017年以降政府の基本方針に掲げられている。また、スピーディな政策立案・実行が求められる一方で、実行した政策の必要性や支援対象の選定にエビデンスに基づいた説明が厳しく問われるようになっている。
このため、データ等を重視し、政策の立案・実行・効果検証の一連のプロセスを捉え直した「発展的政策プロセス」が重要となっている。これは、適切なKPIの設定、データの取得、データのビジュアル化、計量経済分析、アクションにつながる更なるインプットという5つの要素から構成されている。
事業の目的は、複数の政策を選定した上で経済産業省職員と省外の有識者との検討会を開催し、多角的な観点から政策の検証及び今後の政策立案に資する分析を行うことである。さらに、分析を通じて今後のEBPM推進における公的統計データのあり方の検討を進めるための基礎情報を得ることを目指している。
事業内容としては、研修プログラムの企画・調査および研修生支援、国内外の先行研究の調査、講義型研修の企画・運営、第1期および第2期の発展的政策プロセス実践研修の実施が行われた。研修では、ロジックモデルの作成からPythonを用いたデータ分析まで、段階的にスキルを向上させるカリキュラムが設計され、初中級者向けと上級者向けのコースに分けて実施された。これらの取り組みを通じて、政策担当者の分析能力向上と実践的なEBPMの推進が図られた。
