令和4年度燃料安定供給対策に関する調査事業(製油所の競争力に係る技術動向に関する調査)調査報告書

掲載日: 2023年8月1日
委託元: 経済産業省
担当課室: 資源エネルギー庁資源・燃料部石油精製備蓄課
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令和4年度燃料安定供給対策に関する調査事業(製油所の競争力に係る技術動向に関する調査)調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、製油所の国際競争力強化に向けた技術動向について書かれた報告書である。日本の石油安定供給確保のため、国内製油所の国際競争力を高める必要性から、2050年カーボンニュートラル達成に向けて世界の製油所が転換する中での技術動向を調査したものである。調査内容は、世界における将来型製油所転換へのアプローチに関する調査と、海外主要国の競争力に関する石油精製技術動向調査の二つの柱で構成されている。前者では、従来の石油精製からケミカルシフトへの発展やエネルギー製造ハブへの転換等、多様な戦略で変貌する海外製油所の移行アプローチを調査し、処理原料の多様化や新規製造プロセス技術について最新情報を収集した。後者では、欧州、米国、中国等の主要国における技術動向と投資状況を文献調査と現地派遣による詳細調査で実施した。CO2削減技術については、電解水素製造技術などCO2フリー技術と、CO2吸収・回収や用途開発技術など排出CO2を積極的に削減する技術の両面から調査を行った。製油所プロセスの直接電化についても技術動向を把握し、カーボンプライシングとCCSコストの関係性や各種削減技術の分類と位置づけを整理した。また、日欧石油技術会議を通じて情報交換を実施し、FuelsEuropeとの連携によりEUのFit for 55政策における排出量取引制度改定や炭素国境調整メカニズム導入の詳細を把握した。本調査により、国内石油産業の国際競争力向上のための政策立案に資する知見を得ることができた。