令和4年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(対日M&A活用促進に向けた事例集等に関する調査)報告書

掲載日: 2023年8月4日
委託元: 経済産業省
担当課室: 貿易経済協力局投資促進課
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令和4年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(対日M&A活用促進に向けた事例集等に関する調査)報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、対日M&A活用促進について書かれた報告書である。近年、複数の日本企業が海外資本の持つグローバルネットワークやノウハウを活用して海外販路の拡大や経営の高度化、人材の強化・育成などを実現している状況を踏まえ、外国企業や海外プライベートエクイティファンドによる日本企業へのM&Aの実態と効果を調査分析している。本調査では海外資本を有効活用した40事例を調査し、そのうち20事例からなる事例集を作成した。対日M&Aの動向については、件数・金額ともに増加傾向にあるものの、先進国と比較して対日直接投資に占める割合は依然として小さいことが明らかになった。事例調査から得られた主なメリットとして、経営基盤面ではグローバルな知見・経営ノウハウ獲得による経営・財務管理の高度化や人的支援による組織体制の強化、従業員面では新しい人事評価制度の導入による従業員のモチベーション向上やグローバル人材の育成・強化、事業展開面ではグローバルネットワークを活用した海外販路の拡大や海外で先行する分野における商品・サービスやビジネスモデルの活用などが確認された。対日M&Aには多数のメリットがある一方で、円滑な実施と期待する効果の実現に向けては企業文化の違いの理解や外為法の手続き遵守などの留意点があることも示されている。成功のキーファクターとしては、買い手と対象会社の信頼関係の構築、進むべき方向性の共有と自律した組織づくり、熱意・胆力・忍耐強さなどが挙げられている。