令和4年度化学物質安全対策(化学物質の分解性及び蓄積性に係る総合的評価の導入に関する調査)報告書

掲載日: 2023年8月22日
委託元: 経済産業省
担当課室: 製造産業局化学物質管理課化学物質安全室
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報告書概要

この報告は、化学物質安全対策における分解性及び蓄積性の総合的評価の導入に関する調査について書かれた報告書である。

化審法における化学物質の評価において、従来の単一試験法による評価から、多様なデータを総合的に評価するウェイトオブエビデンス(WoE)等の手法導入を目的とした調査が実施された。具体的な検討項目として、化審法におけるWoE等の導入に向けた検討、難水溶性物質等における蓄積性評価の精緻化・合理化、分解性に係るAIを用いたQSAR予測手法のシステム構築、低懸念高分子化合物の評価の合理化が挙げられている。

生分解性評価については、マニュアル案の実効性検討及び見直しが行われ、複数のテストケースを通じて評価手法の精緻化が図られた。蓄積性評価においては、GLP施設への意見聴取を通じた試験計画策定及びBMF(生物濃縮係数)とBCF(生物濃縮係数)のデータ取得のための試験が実施された。試験結果では、取込期間における経口生物濃縮係数や速度論による各種生物濃縮係数が算出され、オイル添加の有無による試験区間での顕著な差は認められなかった。

AI-QSARシステムの構築においては、前年度までの課題への対処方法検討及び持続的運用に向けた検討が実施された。低懸念高分子化合物の評価では、数平均分子量、特定構造を有する物質、溶媒不溶性物質等に関する試験の合理化が検討された。これらの取組により、化学物質評価の科学的妥当性向上、試験法の国際整合化、実環境での挙動を反映した精緻化及び合理化が期待される成果として示されている。