令和4年度中堅・中小企業輸出ビジネスモデル調査・実証事業(輸出支援ビジネスプレイヤー調査)
報告書概要
この報告は、中堅・中小企業の海外展開支援を目的とした輸出支援ビジネスについて書かれた報告書である。日本の中小企業の海外展開は遅れており、直接輸出を行う企業は全体のわずか1%にとどまっている現状がある。中小企業が海外展開を行う際の主要な課題として、現地でのビジネスパートナーや海外ビジネスを担う人材不足、海外の制度や現地市場に関する情報不足が挙げられている。また、コロナ禍による国際物流の混乱やサプライチェーンの崩壊、物流費の高騰なども新たな課題となっている。
輸出支援ビジネスは、海外販路開拓、貿易・物流、グローバル人材、資金調達・保険、法律・会計、アウトソースの6つの領域に分類され、各海外展開フェーズに応じた支援サービスが提供されている。公的な輸出支援サービスは認知度が高く利用されているが、民間企業による支援サービスも多く存在している。民間サービスは有料である分、より柔軟で要求に応じたサービスを提供する傾向がある。
近年の輸出支援ビジネスの特徴として、デジタル技術を活用した業務効率化や自動化が進んでいる。小口貨物の混載事業、ワンストップでの国際物流サービス、ブロックチェーン技術を採用した取引台帳の安全性向上などの取り組みが見られる。また、現地の商習慣を熟知した外国人材の活用も進んでいる。今後の課題として、民間プレイヤーのPR強化、公的機関と民間企業の協働、デジタル技術導入支援による利用料金の低減、一気通貫で仲介するコーディネーターの必要性が指摘されている。
