令和4年度規制改革推進のための国際連携事業(データの越境移転に関する諸外国の規制制度等に係る動向調査)報告書公開版

掲載日: 2023年8月22日
委託元: 経済産業省
担当課室: 商務情報政策局総務課国際室
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報告書概要

この報告は、データの越境移転に関する研究会が2023年1月に発出した報告書である。本研究会は、信頼性のある自由なデータ流通(DFFT: Data Free Flow with Trust)の具体化を目指し、データの越境移転における課題を特定し、解決策を提案することを目的として設立された。DFFTは、データの自由流通を通じた経済的・社会的価値の世界的な分配と、健全な世界経済の発展促進を目標としている。研究会では、データを越境移転させる際に企業や政府、市民社会が直面する障壁を分析し、透明性の確保、技術と標準化、相互運用性、関連制度との補完性、履行枠組みの実装という5つの核となる領域を特定した。透明性の確保については、各国制度の情報をマッピングするシステムの構築と、そのシステムが機能するための仕組みの整備を提案している。技術と標準化の領域では、クラウド環境におけるデータ管轄問題への対応、標準化によるデータ来歴管理の充実、技術進歩に伴う制度環境の変化への対応を掲げている。相互運用性については、政府と民間がそれぞれ担うべき領域を明確化し、技術活用を中心とした対応策を示している。関連制度との補完性では、既存の国際協定や制度との調和を図る重要性を強調している。履行枠組みの実装においては、ステークホルダーと政府当局間の対話の場「DFFT Stakeholder Dialogue」と政府当局間の対話の場「DFFT Intergovernmental Meeting」の設置を提案している。これらの提案実現のためには、非排他性、包括性、脱文脈化、非政治化という4つの重要な要素を考慮する必要があるとしている。最終的に、データのライフサイクルに関わる全てのステークホルダーが協力し、データの越境移転を促進する国際協力枠組みの構築を日本主導で進めることを期待している。