令和4年度産業保安等技術基準策定研究開発等事業(高圧ガス容器に関連する規制等の見直し等調査)報告書
報告書概要
この報告は、高圧ガス容器に関連する規制等の見直し等調査について書かれた報告書である。令和4年度産業保安等技術基準策定研究開発等事業として実施された本調査では、高圧ガス保安法における容器製造基準や検査基準の例示基準の改正、水素燃料電池自動車用燃料装置用容器の活用可能性、海外規制動向について検討が行われた。例示基準の改正要望調査では、業界団体等へのヒアリングを通じて13項目の改正要望が収集され、そのうち溶接容器の最小肉厚見直し、耐圧試験方法の見直し、センサー等の活用、附属品の誤記修正など5項目について具体的な改正案が検討された。水素燃料電池自動車用燃料装置用容器の活用可能性調査では、自動車以外のモビリティでの活用に向けた安全上の懸念点や規制上の課題が分析され、フォークリフトや鉄道車両等への活用における技術的課題と規制見直しの方向性が示された。海外規制動向調査では、米国DOT規格や欧州ISO規格との比較検討が行われ、国内基準の国際整合性向上の必要性が確認された。検討会は東京大学の吉川暢宏座長をはじめとする学識経験者と業界関係者により構成され、4回の検討会を通じて技術的妥当性が審議された。これらの検討結果は、今後の高圧ガス容器規制の適正化と技術革新への対応に向けた重要な基礎資料となるものである。
