令和4年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(貿易手続きの円滑化・高度化の推進に係る調査)調査報告書

掲載日: 2023年8月25日
委託元: 経済産業省
担当課室: 通商政策局経済連携課
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令和4年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(貿易手続きの円滑化・高度化の推進に係る調査)調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、貿易手続きの円滑化・高度化の推進に係る調査について書かれた報告書である。

令和4年度において、日本の貿易額に占める経済連携協定(EPA)のカバー率が80%を超える水準に達したことを背景として、EPAのさらなる利活用促進に向けた貿易手続き上の課題を調査・分析したものである。調査対象は、連続する原産地証明書や積送基準の適用にかかる非加工証明書の発行手続き・要件、および特恵関税の遡及適用・納付関税の還付制度の2つの分野である。

連続する原産地証明書については、締約国Aにおける最初の原産地証明書に基づいて、経由国である締約国Bの発給機関等により発給される原産地証明のことであり、対象産品に対して何ら加工がなされず、もとの原産資格を維持していることを担保することが必要である。この制度は日ASEAN協定やRCEP協定にのみ規定があり、主要な中継国であるシンガポール、中国、香港、韓国、ドイツ、ベルギーの6か国・地域を対象として調査が実施された。

非加工証明書については、EPA締約国の原産品であっても積送基準を充足していない場合にEPAを適用できないため、第三国を経由して輸送される場合に必要となる証明書である。各国における発給機関、手続き、必要書類、保税倉庫での管理要件等について詳細な調査が行われ、国別の相違点が明らかにされた。

特恵関税の遡及適用・納付関税の還付制度については、通関時に原産地証明書や原産品申告が提出されていなくとも、事後的に提出することでEPA上の特恵関税を遡及適用ないし納付した関税の還付を定めている制度について、主要な輸出先国での制度が調査された。これらの調査結果は、我が国の政策立案に活用されるとともに、我が国の輸出者が各国において証明書を取得する際の参照資料として提供される。