令和4年度化学物質安全対策(残留性有機汚染物質等市場状況調査事業)報告書

掲載日: 2023年8月25日
委託元: 経済産業省
担当課室: 製造産業局化学物質管理課化学物質安全室
委託事業者: いであ株式会社
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報告書概要

この報告は、残留性有機汚染物質(POPs)等の市場状況調査について書かれた報告書である。

経済産業省による令和4年度の化学物質安全対策事業として実施された本調査は、POPs条約の規制候補物質であるデクロランプラス(DP)及びUV-328の国内における実態を把握し、第一種特定化学物質指定に向けた基礎情報を収集することを目的としている。DPは航空宇宙、防衛、医療機器分野において難燃剤として使用される有機塩素系化合物であり、長距離移動性と環境およびヒトの健康への悪影響の可能性が指摘されている。POPRC18においては、2044年までの特定適用除外を含む附属書Aへの掲載が提案されており、航空機エンジン部品、宇宙探査機器、防衛装備、自動車部品、産業機械、医療機器等での使用継続が検討されている。

UV-328は紫外線吸収剤として自動車産業を中心に幅広く使用されるフェノール性ベンゾトリアゾールである。自動車用塗料やコーティング剤、プラスチック、ゴム製品等の紫外線劣化防止のほか、屋外家具、建材、食品包装材料にも用いられている。こちらも長距離移動性による世界規模での対処が必要とされ、自動車、産業機械用コーティング、液晶ディスプレイ等での特定適用除外を伴う附属書A掲載が勧告されている。さらに、米国環境保護庁によるデカブロモジフェニルエーテルの代替物質評価情報を整理し、ハロゲン系、リン系、無機系難燃剤のハザードプロファイルを比較分析している。