令和4年度石油・ガス供給等に係る保安対策調査等事業(鉱業労働災害防止計画策定に関する調査)事業報告書

掲載日: 2023年9月1日
委託元: 経済産業省
担当課室: 産業保安グループ鉱山・火薬類監理官付
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令和4年度石油・ガス供給等に係る保安対策調査等事業(鉱業労働災害防止計画策定に関する調査)事業報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、鉱業労働災害防止計画策定に関する調査について書かれた報告書である。経済産業省では労働安全衛生法に基づき、鉱山における災害防止についての総合的な計画である「鉱業労働災害防止計画」を5か年ごとに策定している。第13次計画(平成30年度~令和4年度)が令和4年度で終了するため、令和5年度からの第14次計画策定に必要な調査を実施することが本事業の目的であった。

調査内容は主に4つの項目で構成されている。第一に、13次計画期間中に発生した災害の要因分析を鉱種別、直轄・請負別、鉱山規模別、年代・経験年数別等の観点から実施した。第二に、過去17年分の全国鉱山災害事例データベースや鉱山保安統計年報を活用し、災害発生の状況変化や発生要因の変化について分析を行った。第三に、労働安全マネジメントシステムに関する国際規格との整合状況、鉱山保安マネジメントシステムの定着状況、デジタル技術の活用状況について調査した。第四に、これらの調査結果を専門家による鉱山災害防止対策研究会で使用する資料として提供した。

分析結果から得られた主要な課題として、墜落災害は高さ2メートル未満での発生が多く、車両系鉱山機械によるシートベルト未着用時の重篤災害、小型コンベアによる挟まれ災害等が挙げられた。さらに、経験年数0年から4年の労働者や50代以上の高年齢労働者における災害発生の特徴も明らかとなった。

これらの分析を踏まえ、第14次計画で検討すべき対策事項として複数の提言を行っている。安全文化と倫理的責任の醸成、死亡災害・重傷災害の原因究明と再発防止対策の徹底、発生頻度が高い災害に係る防止対策の推進、経験年数や高年齢等の鉱山労働者への保安管理強化、単独作業及び非定常作業に対する保安管理などが主要な提言内容である。また、コロナウイルス感染拡大の影響により鉱務監督官の現場指導機会が減少していることを受け、鉱山保安の指導に当たる鉱務監督官の力量維持向上に向けた取組みについても検討が必要であるとしている。