令和4年度中小企業・小規模事業者ワンストップ総合支援事業(専門家派遣関係調査及び事務処理等実施機関の運営事業)調査報告書
報告書概要
この報告書は、令和4年度中小企業・小規模事業者ワンストップ総合支援事業における専門家派遣関係調査について書かれた報告書である。全国の支援機関に対するヒアリング調査と事業者へのアンケート調査を通じて、中小企業119専門家派遣制度の利用状況、効果、課題を詳細に分析している。調査では支援機関の年間相談数や専門家派遣利用数、同行率、事業者の満足度などが明らかになった。多くの支援機関で派遣件数の減少が報告されており、その主な要因として2回目以降の有料化があげられている。事業者からは支援時間が3時間と長すぎること、手続きの煩雑さ、負担額の軽減に対する要望が多く寄せられた。一方で、専門家による支援は事業者の課題解決に大きく寄与しており、営業意識の向上や具体的な成果創出につながっている事例も多数報告されている。支援機関の同行率は機関により大きく異なるが、同行による支援機関職員のスキル向上効果も確認された。専門家選定については、既知の専門家を起用する傾向が強く、新規専門家の発掘が課題となっている。IT関係や販路拡大、事業承継などの専門性を持つ専門家への需要が高い。WEB支援については利用が限定的で、対面支援を基本とする機関が多い。システム面では操作の煩雑さや機能改善への要望があげられている。今後の改善点として、支援回数の増加、負担額の軽減、手続きの簡略化、専門家の質向上などが求められており、制度の継続と利便性向上が重要である。
