令和4年度質の高いエネルギーインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業(老朽化インフラ分野における各国の市場動向及び我が国企業の強みに係る調査)報告書

掲載日: 2023年9月1日
委託元: 経済産業省
担当課室: 貿易経済協力局貿易振興課
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令和4年度質の高いエネルギーインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業(老朽化インフラ分野における各国の市場動向及び我が国企業の強みに係る調査)報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、老朽化インフラ分野における各国の市場動向及び我が国企業の強みに係る調査について書かれた報告書である。欧米等の先進国では建設後約100年が経過したインフラの老朽化が進み、アジア新興国では日本がODAで1990年代までに支援したインフラの更新需要が高まっている。ウクライナ情勢を契機とした世界的なエネルギー価格高騰により、エネルギー効率の低い老朽化インフラのリノベーションや再生可能エネルギーへの切り替え需要が増加している。調査対象国は米国、イタリア、ポーランド、チェコ、ルーマニア、インドネシア、ベトナム、フィリピン、トルコの9か国とし、老朽化インフラ市場規模は2023年の約0.8兆米ドルから2040年には約1.5兆米ドルまで拡大すると推定される。道路・橋梁分野が最も更新ニーズが高く、先進国では鉄道分野、新興国では水分野でのニーズが高い状況にある。日本企業への期待として共通しているのがIoTなどの最新技術の維持管理への活用である。先進国では地場企業が成熟しており日本企業の参入障壁が高く、新興国では新規インフラ投資が中心で老朽化インフラ再構築は潜在的なニーズにとどまっている。日本企業の技術を本来性能の向上、レジリエンスの強化、機能の維持、点検・モニタリング機能の強化の4つのカテゴリーに分類し、30件の技術事例を収集した。政府支援策として、インフラ老朽化対策に関する啓発活動、民間企業によるFS支援、二国間インフラ協議プラットフォームの設置・運営とビジネスマッチング、ODAの戦略的活用の4つを提案している。